パイナップルは、南国の熱帯地域で育つ果物です。
中には「自宅で育てるのは難しいだろうな」と考えている方もいるでしょう。しかし、実は予想よりも手間のかかる作物ではありません。そのため、家庭菜園が好きな方は、ぜひパイナップルの栽培に挑戦してください。
今回の記事では、パイナップルの特徴や基本的な育て方について詳しく解説します。育て始めてから収穫まで約2〜3年かかりますが、育てがいがあり完熟した果実の収穫が楽しめるでしょう。
パイナップルとは?
パイナップルは、甘味と酸味が特徴の果物です。
食物繊維やビタミンC、クエン酸など栄養素が豊富に含まれており、健康に良い果物として知られています。また、たんぱく質分解酵素を含んでいるブロメラインにより、料理においても肉を柔らかくするための調味料として活用もするのです。
パイナップルは、ブラジル原産の果樹で、暖かい環境を好むために日本では沖縄を中心に栽培されています。スーパーや八百屋などの市場では、輸入品が販売されており、9割以上はフィリピンからの輸入品です。2024年現在では、台湾産のパイナップルも人気があり、次第に輸入量が増加しています。
パイナップルの育て方を詳細に解説
パイナップル栽培を始めるときは、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。
一般的なパイナップルの育て方を以下にまとめました。
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- 冬越し
- 植え替え
- 収穫
育て方のポイントを押さえて、少しでも参考にしてみましょう。
植え付け
パイナップルを育てる際に、苗を購入して植えつける方法や、市販の食用パイナップルのクラウンを挿す方法を選べます。クラウンとは、パイナップルの実の上にあるトゲトゲした緑色の部分です。
植え付け適期は、一般的に5〜7月です。
苗を育てる場合は、植え付けから約1年半〜2年で収穫できます。
クラウン挿しの場合は、収穫までの期間が長くなる場合があります。ただし、市販の食用パイナップルから手軽にクラウンを入手できるため、始めやすいことがメリットです。
クラウン挿しする場合は、できる限り虫食いや変色の跡がないクラウンを選んでください。
果実が完熟している場合、手で簡単にクラウンを取り外せます。
上記の際には、ケガをしないように厚手の手袋を着用してください。
クラウンの底部の葉を取り除いた後は、日陰で3日ほど乾燥します
底部の乾燥が完了したら、植え付けしましょう。
クラウンが不安定であれば、支柱を立ててください。
水やり
パイナップルを植えつけた後は、たっぷりと水を与えましょう。その後も、土が乾いたらたっぷりと水をやるように繰り返し行います。水やりの目安としては、鉢底から水がしっかりと流れ出るまで与えると良いでしょう。
パイナップルが花を咲かせ、実をつける時期には、特に水切れに気をつけながら管理してください。ただし、水やりの過剰も問題なので、適度な量を与えることが重要です。
また、気温が15度以下に低下すると、パイナップルの成長が停止します。冬期は乾燥気味に育てるように心掛けましょう。
肥料
パイナップルは春から秋にかけて生育するため、定期的に肥料を与えましょう。5〜9月の成長期には、肥料が効率的に効くように、液肥または緩効性肥料の適量がおすすめです。
上記により、植物の成長が促進され、豊かな収穫を取得できるでしょう。栄養をしっかりと与えて、大きくておいしいパイナップルを目指してください。なお、おすすめ肥料は、持続効果が約2〜3カ月間可能な「ランティア花と野菜と果実の肥料」です。ぜひ参考にしてください。
冬越し
パイナップルは10℃を下回ると、成長が停滞してしまいます。そのため、暖かい季節には屋外で栽培し、冬になる前に室内へ持っていきましょう。
室内での管理では、日当たりの良い窓辺がおすすめです。しかし、朝晩の気温低下が激しい場合は、夜に室内へ避難させてください。
冬の期間は生育が遅くなるため、水やりの頻度も減らしましょう。水を与え過ぎると根腐れのリスクが高まるからです。
パイナップルを室内で管理する際は、観葉植物として楽しめます。ただし、葉の先端がとがっているため、子供やペットがいる家庭では注意してください。安全のために葉の先端をカットしておくのも良いでしょう。
植え替え
パイナップルを栽培する際、一般的には育て始めてから収穫までに約2〜3年かかります。
パイナップルは徐々に大きくなっていくため、最初に植え付けた鉢では根づまりが起こる可能性があります。パイナップルは、水はけの良い土を好み、弱酸性の土壌が最適です。そのため、ブルーベリーが好む酸性の土壌を持つ培養土を使用すると良いでしょう。他にも、通常の培養土や観葉植物用の土に鹿沼土を2割程度混ぜて排水性を高め、弱酸性にする方法もあります。
成長したら、一回り大きな鉢に植え替えしましょう。植え付けと同様に5〜8月がおすすめです。冬を越えて、前年より葉も大きくなるので、植物の大きさに合わせて鉢のサイズも大きめに合わせましょう。
植え替えの際には、できる限り根を崩さずに1〜2回り大きな鉢に植えつけてください。最終的には、8〜10号(24〜30センチ)のサイズになれば、パイナップルは成熟し花が咲いて実もなるでしょう。
収穫
パイナップルを育てていくうちに、中心から花芽が伸び、先端から果実が誕生します。収穫は7〜9月が適していますが、しっかり管理して行ってから収穫してください。収穫のタイミングは、実が熟し、甘い香りを放った時が最適です。果実は追熟できないため、熟すまでは待ってみましょう。収穫時には、実を付け根から丁寧に切り取ります。収穫までの期間は、日光をしっかりと浴びるようにしてください。
ただし、夏の強い直射日光に長時間当たると果実が傷む可能性があります。果実の上から紙袋などをかぶせて保護すると良いでしょう。
ナゴパイナップルパークなら育て方も含め植物の世界が楽しめる
公式サイト:https://www.nagopine.com/
ナゴパイナップルパークは、沖縄県名護市にある観光地です。
パイナップルの成長過程を観察できるほか、プロのガイドが栽培方法や植物の生態に関する詳細な説明をしてくれます。そのため、子供だけでなく大人も楽しみながら学べるでしょう。
さらに、パイナップルワインの試飲やパイナップルを使用したスイーツの試食など、味覚を刺激する体験も可能です。ナゴパイナップルパークは、植物の美しさや栽培方法を学べるだけでなく、沖縄の文化や食を体験できます。沖縄居住の方はもちろん、沖縄在住以外の観光客の方も、見どころ満載です。
沖縄旅行する際には、ぜひナゴパイナップルパークを検討してはいかがでしょうか。
まとめ:パイナップルの育て方を知ると楽しめる
今回の記事では、パイナップルの育て方を中心に解説しました。
パイナップルは、温度や水の管理を常に意識をして、冬は室内へ移動することが重要です。パイナップルは知名度が高い果物ですが、意外に実がなる方法を知っている人は思うほどいません。果実の部分を見たら、葉っぱの中心から突然果実がなる場面にびっくりすることでしょう。大切にじっくりと育てていき、甘いパイナップルの収穫を目指しましょう。
また、沖縄に訪れる際には、ナゴパイナップルパークに行くことも検討してみましょう。きっと、パイナップルが食べたくなるだけでなく育て方を学べて実際に育てたくなるでしょう。