甘い香りと爽やかな酸味が特徴のパイナップル。
生のままデザートにしても、酢豚などの加熱料理にしても、美味しく食べられる人気の果物です。人間にとって魅力いっぱいのパイナップルですが、実は犬も食べられるって知っていましたか?
この記事では、パイナップルを犬に与えるメリットや安全な与え方についてご紹介します。
パイナップルは栄養豊富!犬にも良い栄養素と与えるメリット
生の熟したパイナップルは、優しい酸味で柔らかく、犬にも安心して与えられます。また、さまざまな栄養素が含まれているので、犬の健康維持にも有用です。
ここでは、パイナップルに含まれる代表的な栄養素と犬に与えるメリットについて解説します。
ブロメライン
ブロメラインは、パイナップルだけに含まれるタンパク質分解酵素です。肉をパイナップルと一緒に漬け込むと柔らかくなるのも、この酵素が作用しているから。タンパク質の消化吸収を高めるため、健康な犬はもちろん、胃腸機能の衰えが気になるシニア犬にも役立つ栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは、強い抗酸化作用を持ち、老化をもたらす活性酸素から体を守ります。また、コラーゲンの生成に関与しているので、血管や皮膚をはじめとした多様な組織の成長と修復に働き、犬の健康維持をサポートします。パイナップルには、100g中35mgのビタミンCが含まれており、りんごやぶどうよりも含有量が豊富です。犬は体内でビタミンCを合成できますが、加齢とともに合成能力も低下するため、意識して与えるといいでしょう。水溶性のビタミンなので、適量をこまめに与えるのがおすすめです。
ビタミンB群
パイナップルには、ビタミンB1やB2をはじめとした8種類のビタミンBが含まれ、互いに協力しながら体の代謝を助けています。とくにビタミンB群は、糖質・脂質・タンパク質の代謝に深く関わっているため、疲労の軽減や口内炎の治癒など、エネルギーが必要とされる場面で効果を発揮します。犬の体からビタミンB群が不足すると、疲れやすくなったり、毛艶が悪くなったりとさまざまな症状があらわれます。ビタミンCと同じく水溶性なので、こまめに摂取することが大切です。
カリウム
パイナップルには、ミネラルの中でもとくにカリウムが豊富に含まれています。カリウムはナトリウムを排出し、体液を一定に保つほか、筋肉や神経の正常な働きを助ける栄養素です。最終的には体から尿として排出されますが、このとき健康な腎臓の役割が欠かせません。そのため、腎臓機能の低下した犬に与える場合は、獣医師に相談しておくと安心です。
βカロテン
βカロテンは、強力な抗酸化作用のある脂溶性の色素です。パイナップルの黄色は、このβカロテンに由来するもの。体が必要な分だけビタミンAに転換し、残りは抗酸化物質として活性酸素の除去に働きます。動脈硬化や心臓発作のリスクを下げるなど、老化からくる犬の病気予防に有効です。
食物繊維
パイナップルには食物繊維も豊富です。なかでも、不溶性食物繊維が多く含まれているため、便のかさを増やしたり腸を刺激して便通を促したりといった効果が得られます。犬の便秘予防として、日々の食事に取り入れるといいですね。
パイナップルを犬に与える場合の適量は?おすすめの与え方も紹介
パイナップルを犬に与えたい場合、どれくらいの量が適切なのでしょうか?犬の健康バランスを崩さないパイナップルの適量と、おすすめの与え方についてご紹介します。
適量はおやつ程度の量
パイナップルを犬に与える場合、適量はおやつ程度の量と考えましょう。犬のおやつの適量は、1日の摂取カロリーの10%程度とされるため、その範囲内で収まるようほかのおやつとも調整します。もし、パイナップルだけをおやつとして与える場合、体重の違いによる適量の目安は以下の基準を参考にしてください。
犬の体格 | 犬の体重 | パイナップルの適量 |
超小型犬 | 4kg未満 | ブロック大3切れまで |
小型犬 | 10kg未満 | ブロック大5切れまで |
中型犬 | 10~20kg | ブロック大10切れまで |
大型犬 | 21~40kg | ブロック大14切れまで |
超大型犬 | 41~65kg | ブロック大21切れまで |
※パイナップル24g(ブロック大サイズ)を12kcalで算出
※避妊・去勢手術済みの成犬のカロリー早見表をもとに算出
パイナップルは犬のごはん代わりにはならないため、適量を守りおやつのひとつとして与えましょう。
犬へのおすすめの与え方
パイナップルを犬に与える際は、なるべく小さくカットし、犬が食べやすい大きさで与えるのがおすすめです。生のままでも調理しても与えられるので、犬の嗜好に合わせて工夫してみましょう。生のパイナップルには消化酵素が含まれるため、ドッグフードのトッピングとしてもおすすめです。みじん切りやピューレにすると、喉に詰まらせる心配がなく安心して与えられますよ。
パイナップルを犬に与える際に注意するべきポイント6つ
パイナップルを犬に与える際に注意するべきポイントを6つご紹介します。ポイントを押さえて、トラブルなく安全にパイナップルを与えましょう
たくさん与えすぎない
パイナップルを犬に与える際は、たくさん与えすぎないことが大切です。パイナップルは水分を多く含むので、適量を超えると下痢や嘔吐の原因になる可能性があります。与えすぎに注意し、おやつやトッピングとして活用しましょう。
糖尿病のある犬には与えない
糖質を多く含むパイナップルは、糖尿病や糖尿病のおそれのある犬には与えないほうがいいでしょう。総カロリーのほとんどを糖質が占めるため、カロリー制限が必要な犬にも注意が必要です。持病があるけれど与えてみたい場合は、あらかじめ獣医師に相談しましょう。
皮や芯・葉は与えない
パイナップルの皮や芯は硬く、犬の食用には向きません。皮にあるトゲで口腔内を傷つけたり、芯が消化不良を引き起こしたりする恐れがあるため、与える際はしっかり取り除くことが重要です。葉も同様、犬が口にしないよう気をつけましょう。
小さく食べやすい大きさで与える
パイナップルを与える際は、犬が食べやすい大きさにして与えましょう。みじん切りのように小さくカットしたり、ピューレ状にすり潰したりすると、仔犬や嚥下力が衰えた老犬でも安全に食べられます。
アレルギーに気をつける
パイナップルを犬に与える際は、食後の体調変化に気をつけましょう。パイナップルには少量のタンパク質が含まれているため、アレルギーを誘発する可能性があるからです。とくに、普段パイナップルを食べ慣れていない犬に与える場合は、注意深く観察し、異変が見られたら獣医師に相談しましょう。
加工されたものは与えない
缶詰やお菓子など、パイナップルが加工されたものは犬に与えてはいけません。加工品には、砂糖や着色料などが添加されていることが多いため、犬が食べるとさまざまな弊害を引き起こします。パイナップルを与える際は生のものに限定し、加工品は与えないようにしましょう。ただし、犬用のおやつとして加工されたものなら安全に与えられます.
パイナップルはこうやって選ぼう!おすすめの選び方
パイナップルは追熟しない果物なので、選ぶ際はしっかり熟したものを選びましょう。判断するポイントは大きく分けて3つ。「見た目」「香り」「重さ」です。
お尻がふっくらし皮は黄色く艶がある
まず見た目には、全体に丸みがありお尻に膨らみのある洋梨型ものを選びましょう。また葉の色が濃く、皮全体が黄色くて艷やかなパイナップルも食べ頃を迎えていておすすめです。
しっかりとした甘い香りが漂う
充分熟したパイナップルは、甘く芳醇な香りが漂います。選ぶ際は、パイナップルを嗅いで、香りが強いものを選びましょう。
ずっしり重く弾力がある
手に取ったとき、ずっしりと重量感のあるパイナップルを選びましょう。また、全体に弾力がありハリを感じるものがおすすめです。ナゴパイナップルパークでは、生のパイナップルがそのまま味わえる「パインスティック」を販売しています。缶詰とは比較にならない本場の味をぜひ体験してください!
まとめ:パイナップルは犬も食べられる!安心して与えよう
パイナップルは、ビタミンやミネラルのほか消化酵素も含み、犬の健康維持にも役立つ果物です。与える際は、大きさや量に注意し、加工されたものを避け、しっかり熟したパイナップルを与えてください。とくにはじめて与える場合は、食後の体調を観察し、アレルギーなどの症状が見られたら早めに獣医師に相談しましょう。また、沖縄県名護市にあるナゴパイナップルパークでは、本場の味をスイーツやジュースで楽しめるパイナップルカフェが併設されています。園内には、季節のフルーツを購入できるフルーツコーナーもありますよ。与え方のポイントを参考に、犬と一緒にパイナップルを楽しんでください!